話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選

2018年はアウトプットを怠らない年にしたい、
ということで長年放置してたこのブログを再稼働させることにしました。
まずは新米小僧の見習日記さんのこの企画に参加することでリハビリ。

ルール
・2017年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。


10選一覧(ほぼ放送順)亜人ちゃんは語りたい 6話「小鳥遊姉妹は争えない」
アイカツスターズ! 47話「香澄姉妹、対決!」
けものフレンズ 12話「ゆうえんち」
フレームアームズ・ガール 9話「あお、風邪をひく/あしたもいっしょに」
月がきれい 12話「それから」
覆面系ノイズ 12話「とどきますように」
プリンセス・プリンシパル 8話「case20 Ripper Dipper」
ひなろじ〜from Luck & Logic〜 11話「一年の計はカウントダウンにあり/据えチョコ食わぬは女の恥」
少女終末旅行 3話「遭遇/都市/街灯」
妹さえいればいい。 12話「妹さえいればいい?」


各話コメント

亜人ちゃんは語りたい 6話「小鳥遊姉妹は争えない」
ひかりが家庭で浮かないようにあえて髪を染める親父とか、ヴァンパイアが鏡に映らないという話を聞いて本気で心配するひまりとか、このアニメのもつ温かさが最も発揮された回。そして「血にまつわる言葉」ネタの締めくくりが「血は争えないな」だったのが最高。


アイカツスターズ! 47話「香澄姉妹、対決!」15話「月と太陽」といい香澄姉妹回は大当たりが多いのだが、特にこの回は秀逸。姉のステージが終わった直後の真昼のポカンとした、でも眼力が篭ったあの表情がアイカツスターズ!の真骨頂だと思っている。
最近の86話「涙の数だけ」も傑作回だったので迷ったのだが、こちらの方がスターズ!らしいかなと思ったので採用。


けものフレンズ 12話「ゆうえんち」フックの掛け方、アイテムの入退場のさせ方、コミカルに展開しながらも本筋をちゃんと進めていく構成など、けものフレンズストーリーテリングのお手本のような作品だったが、そこから1つ挙げるならやはり最終話。
サーバルが紙飛行機をセルリアンに投げたあのシーンを違和感なく見せるために作中で撒かれてきた数々の種のことを考えると、やっぱりとんでもないアニメだったなと実感するわけです。


フレームアームズ・ガール 9話「あお、風邪をひく/あしたもいっしょに」Bパート「あしたもいっしょに」では、轟雷たちFAガールがあおと同じ普通の女子高生だったら…というifストーリー(夢オチ)が展開されるのだが、それを最終話やOVAではなく9話でやってしまったのが斬新。
しかし、この話を9話に持ってきたからこそ、FAガールのままの姿であおと過ごすことの尊さが終盤のストーリーにて何倍にも増幅されるのである。
ただifストーリーをやるだけじゃなくて、学校卒業までちゃんと展開するのが実にこのアニメらしい。


月がきれい 12話「それから」オタクの中学時代のトラウマ絶対ほじくり返すマンとして君臨した本作品。2人が付き合い初めて以降は、正直言って「クサい演出大喜利」みたいな展開が続いたので萎えていたのだが、最終話はあまりにも度を過ぎていて逆に拍手を贈ってしまった。安曇君が高校落ちて別れるのかと思ったらそのまま付き合い続けて結婚出産まで描くって…。
まんまと心を抉れられてしまった自分はこの作品の格好のターゲットだったんだなと悔しくなりました。


覆面系ノイズ 12話「とどきますように」
伝えたい人がいて、伝えたい思いがあって、それは歌じゃないと伝えられなくて。「覆面系ノイズ」は感情の洪水に溺れることを毎週楽しむアニメだったのだが、特に12話は『カナリア』のイントロでの「羽ばたけーーー!」の絶叫といい『ハイスクール』のイントロの入り方といい、ライブの描写が最高だった。せっかく音楽をネタにしたくせに音楽を信じ切らない作品が山ほどある中で珍しく、最初から最後まで大事なところをちゃんと音楽に委ねてくれた快作。もっと色々な人に見てほしい。


プリンセス・プリンシパル 8話「case20 Ripper Dipper」超人気回なので今更多くは語りません。序盤の「プリンセスがアンジェに縄跳びを教え、アンジェがプリンセスにピアノを教えた」という台詞で「おや?」となった違和感が、アンジェが少女に聞かせた物語によって決定的なものになったあの瞬間の最大風速は今年トップクラスでしょう。


ひなろじ〜from Luck & Logic〜 11話「一年の計はカウントダウンにあり/据えチョコ食わぬは女の恥」一人で自由な冬休みを過ごすのを楽しみにしていたはずのニーナがリオンと幸せなキスをするまでの時間、OP含めてわずか10分。そんな急展開に全く違和感を覚えさせない高密度かつ丁寧な少女たちの描写がお見事。それにしても、姿はカーテン越しで見えないのに接吻音はちゃんとするキス…いいよね…。


少女終末旅行 3話「遭遇/都市/街灯」
後半はワザとらしい哲学要素が増えたことで本来あるべき姿を失ってしまったように思えた本作品で、最も日常と哲学のバランスが良かったのがこの回。「こいつは楽観が過ぎてネジが飛んでる」と言われるほどのユーリの楽観主義が、「簡単に傾くわけないじゃん」と言ってたリフトが傾くことで一旦否定された後に、街灯の明かりを見ながらカナザワに人生を説くところでまた肯定されるという展開がお上手すぎる。


妹さえいればいい。 12話「妹さえいればいい?」
かつて小説家志望だった人間にとって、12話序盤の主人公の回想は「お前は作家になってまで描きたいモノがあったのか?なかっただろ?」という問いを突きつけられているように思えて耳が痛くなった。俺も俺になりたかったよ…。


総括
せっかくの「話数単位」なのに最終回ばかり&有名どころばかりで、2017年の自分がいかにアニメを真面目に見てなかったが一目瞭然ですね。
今年はストーリーそのものよりも「語り方」の妙に惹かれた作品が多いように感じます。けもフレとかFAガールとか。
アニメ映画が世の中を席巻した2016年や、今なお私(&その周辺の人々)を虜にし続ける「放課後のプレアデス」が爆誕した2015年と比べると少々地味な1年だったかと思いますが、こうして10選を苦労せずに挙げられたので悪い年ではなかったかなと思います。


それでは、また来年〜